オステオパシーレクチャー
第12回  軟部組織について

 


人間は結合組織によって成り立っている。Dr.スティルが言うようにまず筋膜から始め筋膜を理解することです。ある意味骨ですら結合組織といえる。
人体には沢山の種類の結合組織があります。それによってさまざまな張力の差があります。
それぞれの性質に沿って適切なことをしなければなりません。
皆さんは理解していますか?Dr.スティルの治療である患者さんが事故にあい一週間、軟部組織の治療のみをしたそうです。それまで関節の治療をしなかったそうです。
軟部組織のテクニックはオステオパシーを学ぶにあたって最初に習います。そして関節を動かすための準備技法と思われがちです。はたしてそうでしょうか?

 

私はそうは思っていません。軟部組織を治療することによりあらゆることができると思います。

 

皆さんは学校でそうの触診を習います。皮膚から骨まで順に表層から深層へ、皆さんはできますか?背部に至っては何層にもわたり、とても厚い層をなしています。貴方は骨までたどりつけますか?
そして骨はどんな感じがしますか?
固いですか?模型のような感じですか?
骨も生きています。生体の骨ってどんな感じなんでしょうか?
骨はただのカルシウムの塊ではありません。結合組織であり。代謝活動のあもあります。
その骨にたどり着く前に皮膚から順にリリースをしていけますか?
皮膚は本来柔軟性があり自由でなめらかです。健全な皮膚とはどんな感じなのでしょうか?

 

筋膜や筋繊維の健全な状態とはどうでしょうか?
そしてリリースされた状態は?
骨にたどり着くまで何層もあります。
皆さんはたどり着けますか?
結合組織に対しても同様にオステオパシーの技法の3種類を使います。関節のアプローチと同様です。
それらを使いこなすためには、まず解剖を知らなければなりません。
各層の筋はどのように付着していますか?
筋繊維はどの方向へ走っていますか?
膜のつながりは?

 

私達は解剖学だけでなく、生理学、生化学等も理解していなければなりません。そうでなければ生きた解剖学、人間を理解できません。そして健康な状態の理解。そしてライフ・フォースの理解です。スティルは言います。病変は誰でも探すことができる。我々は健全を理解しなければ…。
だけども病変の理解も大切です。各病気、各ステージの理解です。それは手を使った触診による皮膚ないし結合組織がそれを教えてくれます。
それらを正確に判断し、それらに必要なことを行うことができたら、もしかしたら他の技法はいらないと思うくらい素晴らしくリリースします。
スティルはいいます。カラダを治すために必要なものはカラダの中にあります。それらが、上手く働くよう手助けするのが私達の仕事です。それらを行うためには知識が必要です。そして、それらを感じるために触診の訓練をしなければなりません。自分の考えの決めつけでは無く、求心的でなく遠心的に、向こうから情報がやってくるように。そしてそれを判断します。それらを理解するには結合組織の理解は大切です。
けれど、この結合組織の病的な変化は何によって起こっているのでしょうか?
いろいろな理由が考えられます。

 

急性ですか?それとも慢性ですか?
内臓からの反射ですか?
椎間板症によるものですか?
関節の硬さからですか?
リンパの問題でしょうか?
それとも薬物ですか?
電磁波によるものかもしれません。
それとも、感情による緊張でしょうか?
もしかしたら霊的な問題かもしれません。

 

他にもいろいろな問題が考えられます。
それらを診断できるようにしなければなりません。

 

日々、訓練と探求が必要です。