オステオパシーレクチャー
第10回 Dr.フライマン、他界の続き

 

 

Dr.フライマンが他界し彼女が如何にオステオパシーを愛し、世界貢献しようとしていたか。
特に彼女は小児の分野で有名でした。

彼女が教えていたセンターでは、まずクラニアルの40時間のコースを受講し、クラニアル・オステオパシーの原理を勉強します。
これはDr.サザーランドから受け継がれたものです。
そしてDr.スティルの原理にもあてはまります。

 

私はそこでオステオパシーの哲学を学び、テクニックの原理を学びます。
そしてDr.サザーランドのいう、第一次呼吸メカニズムについて学びます。
第一次呼吸メカニズムとは何でしょうか?
決して、レートのことではありません。

 

下記の現象のことをいいます。

 

頭蓋関節の可動性

 

相互張力膜

 

脳脊髄液の波動

 

脳・中枢神経系の固有の運動

 

腸骨間の仙骨の関節可動性

です。

 

これらの5つの現象を1つずつ学んでいきます。

 

勘違いされておられるかたも、いらっしゃいますが、8から14のレートは、Dr.ウッズ夫妻が誰もが感じられる頭蓋の動きとして、ボウルド・ホールドではなく、頭頂骨コンタクトで感じられるる動きをCRI と定義しました。この時、健常者のレートが、8から14とし、精神疾患の患者さんは、それよりゆっくりだったと報告しています。

 

もともと、Dr.サザーランドは生前、レートについては話しをしていません。レートについての研究は、Dr.サザーランドの死後の研究となります。

 

そしてコア・リンクを学び、蝶形骨と後頭骨のストレイン・パターンを学びます。

ストレイン・パターンはいくつあるでしょうか?

頭と顔面の伸展と屈曲の特徴について学びます。

 

そして各骨について学びます。各骨の発達やその骨の応用解剖学、頭蓋における関節とも言える縫合の種類や役割など詳しく学びます。そして生理学的な動き、硬膜の発達と応用解剖学、脳脊髄液の循環や脳血管や脳神経系について詳しく学んでいきます。

 

診断学については母胎内にいる時からの周産期から、出産、妊娠期間中に投薬をうけたか?さまざまなことを学び、
小児における典型的な問題について学習していきます。

 

そして顎関節についても学んでいき。交合についてもまなびます。下顎骨、上顎骨の成長と発達や歯芽についてと頭蓋全体のかかわり、歯科矯正中での我々のできることなど多くのことを学んでいきます。

そして、テクニックの原理も習います。

 

直接法

 

誇張法

 

遊離

 

逆生理学的な動き

 

モールディング

 

について学び。脳脊髄液のポーテンシーの方向づけ。或る意味、タイドの方向づけともいえます。

 

それと液のアプローチとして代表的な、静脈洞のテクニック

 

CV‐4

 

テンポラル ロッキング

 

ファーザー トム

 

など学びます。

 

そして膜に対しての張力バランスや液、骨内といった感じに学びます。

あと、リフト テクニックや各縫合に対しての効率的な方法を学んでいきます。

 

まだまだ、彼女から習ったベーシックコースでの内容はありますが、また機会をみてホームページでも掲載していきますし、私達スタディーグループのコースの中でも紹介して行きたいと思います。

 

そして、Dr.ジェラスは言います。私達のもとに訪れる患者さんの半分は解剖学無しに治療することができます。
けれども、もう半分の患者さんにはより細かい解剖学が必要となります。

 

私はDr.フライマンからそれを習うことができました。それは私にとって宝物です。私は彼女のコースを何回受けただろうか…?数十回は受けていると思います。目を瞑ると彼女のことを思い出すことができます。
そして多分、日本人では私が一番彼女のコースを受けたと思います。

 

日本の人達はいろいろ日本へ教えにくる外国人講師の言う、彼女への評価を鵜呑みにしています。
彼女は素晴らしい教師でした。
そして真のオステオパスであり、真のドクターでした。
彼女がどれだけ、世の中で治らないと見捨てられた患者を助けてきたか。
それを知っていて彼女のことを悪く言うのか?それとも知らなくて。

彼女は偉大であり、伝説です。クラニアルアカデミーの彼女の映像。見ていると涙がこぼれてきます。もう彼女はいないのだと。もう彼女から習うことは出来ないのだと。

そして私は彼女からオステオパシーのスピリットを学びました。だから私は朝早くから深夜まで治療することができます。彼女は教師として医師として人生を捧げました。皆さんにできますか?
彼女は日本にくる出稼ぎオステオパスとは違うのです。
彼女は常に真剣勝負でした。彼女がコースを開く時、4人に対してひとりの経験あるオステオパスをつけました。このことを日本のオステオパスはどう思いますか?

 

彼女はオステオパシー界のマザー・テレサです。

 

本物のオステオパスとは何でしょうか?Dr.スティル、Dr.サザーランドや過去の偉大なオステオパスの目指したものそれは何でしょうか?オステオパシーの中には沢山のテクニックがあります。それができればオステオパスでしょうか?あと

流行りのバイオダイナミクスを習得すれば良いのでしょうか?

 

オステオパシーは哲学です。それをどれだけ日本のオステオパスは理解しているでしょうか?
私達は先人の教えにそい歩まねばなりません。

 

御冥福を祈ります。